お酒のコラム
初心者のためのバーボン入門!美味しい飲み方や選び方を解説
バーボンと聞くと、「強いお酒」や「お酒に詳しい人が飲むもの」というイメージを持っていらっしゃる方も少なくないのでは無いでしょうか?
しかし、バーボンはバニラやカラメルを感じさせる甘い香りやコクが特徴で、クセの強いものからライトなものまで幅広くあるため、飲み方や選ぶ種類によっては馴染みのない方にも楽しんでいただけるお酒です。
この記事では、バーボンがどのようなお酒なのかのご紹介や、バーボンを選ぶポイント、おすすめの銘柄などをご紹介いたします。
バーボンとは

バーボンは、アメリカで造られる「アメリカンウイスキー」のうちのひとつ。スコッチやジャパニーズウイスキーと並ぶ、世界5大ウイスキーの1つにも選ばれています。
アメリカンウイスキーの歴史
17世紀、後にアメリカと呼ばれる新大陸へヨーロッパからの移民が渡ってきました。
1622年にジョージ・ソープという入植者が初めて穀物を使い蒸留酒を造ったとされています。その後1789年、エライジャ・クレイグ牧師によって作られたのが始まりと言われています。
アメリカンウイスキーは連邦アルコール法で細かく定義されており、原料や製造の基準を満たしているものだけが「バーボン」と名乗れるのです。
バーボンの条件
- 原料に51%以上のトウモロコシを使用
- アルコール度数80%以下で蒸留
- 内側を焦がしたオークの新樽にアルコール度数62.5%以下で詰める
- 市場に出荷させる際のアルコール度数は40%以上
※2年以上貯蔵、熟成した場合はストレートバーボンを名乗れます。
バーボンは一般的にトウモロコシ60~70%とライ麦、モルトで造られる事が多く、
- トウモロコシの割合が多い場合は甘くてまろやかな味わい
- ライ麦の割合が多い場合はスパイシーな味わい
- 小麦の割合が多い場合はマイルドな舌触り
になると言われています。
日本の法律では「バーボン」の定義はなく、ウイスキー類として分類されます。
バーボンの選び方

バーボンを選ぶポイントは以下の3つ!
- 熟成年数
- アルコール度数
- 香り
選ぶポイントをしっかりと押さえ、自分に合ったバーボンを見つけましょう。
熟成年数を見てみよう
3年以上の熟成を義務付けられているスコッチウイスキーと違い、バーボンは熟成年数の決まりがなく短期間の熟成でも「バーボン」と名乗ることができます。
2年以上の熟成を経たバーボンは「ストレートバーボン」と呼ばれています。
しかし、市場に流通しているバーボンのほとんどは3年以上熟成されたものがほとんど!
3年以上熟成をしたバーボンは熟成年数をラベルに記載しなくてもよい、という決まりがあるため、ラベルに熟成年数が記載されている3年以下のバーボンは比較的熟成年数の少ない、若いバーボンといえます。
熟成年数が長いほど味と香りがより深くなると言われているため、同じバーボンでも熟成年数で飲み比べて楽しむこともできますね。
アルコール度数を見よう
バーボンのアルコール度数の主流は40度前後ですが、なかには度数の高い50度以上の銘柄も。
馴染みのない方はアルコール度数40程度の銘柄から試してみましょう。
慣れてきたら50度以上の銘柄に挑戦してみるのもおすすめ。濃厚な味わいが楽しめますよ。
炭酸水で割って飲む場合などは、量によってアルコール度数を調節できますが、ストレートやロックで楽しみたい場合はアルコール度数で選ぶのもよいでしょう。
香りで選ぼう
内側を焦がしたアメリカンホワイトオークの新樽で熟成されるバーボンは、甘い香りが特徴的。熟成期間が長いほど香り豊かに、味わいがまろやかになる傾向があると言われています。
各メーカーごとにテイスティングノートが公開されているため、自分好みの香りを探してみましょう。
飲みやすいバーボンが好みなら、バーボンの原酒にハニーやアップル、シナモンを加えた「フレーバードウイスキー」もおすすめです。
甘くてフルーティーなフレーバードウイスキーはアルコール特有のクセが少なく、飲みやすいのが特徴です。
バーボンの美味しい飲み方
ウイスキーを嗜む上で、飲み方はとても大切なポイント。独特の甘みと濃厚な香りが魅力のバーボンは、飲み方次第で味わいが深くなります。
バーボンの主な飲み方
- ストレート:バーボンのみ
- オンザロック:バーボン+氷
- 水割り:バーボン+水+氷
- トワイスアップ:バーボン+水
- ハイボール:バーボン+ソーダ水(炭酸水)
- カクテル:バーボン+その他
バーボンの飲み方は様々。
ウイスキーは冷やすと、アルコールによる刺激を感じにくくなるため、味や香りを抑えて飲みやすくすることも。
今回は2つの視点でおすすめの飲み方をご紹介いたします。
バーボン入門編は水割りやミストがおすすめ
バーボンの入門編には、水割りやミストがおすすめです。
一般的なバーボンの水割りは「バーボン1:水1」が理想とされています。ウイスキーの香りが引き立ちやすいのはアルコール度数20~30%だと言われているため、香りはそのままに、口当たりがまろやかになる飲み方です。
なお、香りが薄まるので、水割りでは氷を入れずに楽しむのがおすすめです。
小さく砕いた氷でグラスを満たし、ウイスキーを注ぐ方法がミストです。
作り方はロックと同じですがミストの最大の特徴は「冷たさ」、ロックで使用する氷より小さく砕いたクラッシュアイスはグラスも注ぐウイスキーも急激に冷やします。そのため、ロックやハイボールよりもキンキンに冷えたウイスキーを楽しめるのが魅力。
なめらかにバーボンを味わえるので、アルコール度数の高いウイスキーもミストで試してみてはいかがでしょうか?
バーボンを味わいたいならストレートやロック
バーボンそのものの良さを味わいたいなら、定番のストレートやロックを選びましょう。
初めて飲む銘柄は、ストレートで香りと味をしっかりと感じるのをおすすめしています。大きめの氷が入ったグラスにバーボンを注いで飲むロックは、温度が下がることで口当たりを和らげ、さっぱりと飲むことが出来ます。
飲み始めはストレートのような味わい、氷が溶けるにつれて時間と共に変化していく味わいの両方が楽しめます。
バーボンは度数が低いものでも40度あるため、ストレートやロックで飲む場合はミネラルウォーターなどのチェイサーを用意して交互に飲むのをおすすめしています。
他にもバーボンはカクテルにして飲むのもおすすめ。以下の記事では、バーボンを牛乳で割るカウボーイについて紹介しています。バーボンを飲む際にぜひ参考にしてみてくださいね。
飲みやすいバーボンの種類

自分の好きな飲み方や好みに合わせたバーボンを選ぶことがとても大切です。
濃厚な味わいのものがいい、フルーティーな味わいのものがいいなどの好みに合わせ、多種多様なバーボンの中から自分好みの飲み方で魅力を発揮する銘柄を探しましょう。
今回は飲み慣れていない方にも楽しんで頂ける銘柄を3つご紹介いたします。
ワイルドターキー・スタンダード
ワイルドターキーは、甘さ控えめで風味豊かな味わいが特徴の銘柄。
6〜8年熟成させた原酒をブレンドさせたバーボンで、飲み口がソフトでありながら、しっかりとしたバニラやカラメルのフレーバーが香り、さわやかな後味が魅力。
ワイルドターキー・スタンダードはアルコール度数を40度に抑えた銘柄で、初めて飲むバーボンにもおすすめです。
ワイルドターキーのおすすめの楽しみ方は、ストレートもしくはオンザロック。豊かな風味と強いコクを楽しめます。
フォアローゼズ
1920年から1933年まで続いた、アメリカの禁酒法時代でも「薬用」として、特別に製造されていた銘柄。「戦後、日本人が初めて飲んだバーボン」ともいわれており、日本でも大変人気な銘柄です。
一般的なウイスキーが1種類の原酒から生まれるのに対し、いくつもの原酒を使用して造られており、華やかな香りとやわらかくフルーティーななめらかな味わいが特徴です。
フォアローゼズは芳醇なアロマが特徴のバーボンなので、ストレートで香りを楽しむのがおすすめです。
スタンダードな銘柄はリーズナブルな値段で手に入るので、挑戦するハードルが低い点も魅力のひとつでしょう。
メーカーズマーク
メーカーズマークはケンタッキーの小さな蒸留所から生まれる「クラフトバーボンウイスキー」です。
一般的なバーボンが原料にライ麦を使うのに対し、メーカーズマークは冬小麦を使用して造られているので、口当たりがよく、まろやか。
オレンジ、ハニー、バニラのような甘い香りは飲みやすく、ふくらみのある味わいはたくさんの人に愛されています。
「本当にいいウイスキーは、誰が飲んでもおいしいと思えるものである」という信念から生まれたクラフトバーボンはウイスキー入門にもおすすめ。
ロックでまろやかな味わいを楽しんだり、炭酸水にオレンジピールを絞ったメーカーズクラフトハイボールもいいですね。
好みを押さえてバーボン入門!種類や飲み方で楽しみ方も変わる

今回は、バーボンの歴史から選び方、おすすめの飲み方と銘柄をご紹介いたしました。
アメリカン・ウイスキーの代表格であるバーボンは、力強い味わいながら比較的飲みやすいのが特徴で、種類も飲み方も知れば知るほど魅力の増すお酒です。
ストレートやロック、水割りやミストまで多彩な飲み方で存分にバーボンを堪能してください。