お酒のコラム
ボルドーワインの頂点シャトーラトゥールの評価と特徴について
シャトーラトゥールは世界でトップクラスのワイン。1855年のメドックの格付けで第一級に選ばれたフランス最高峰5大シャトーのひとつです。
シャトー・ラトゥールは、どのヴィンテージであっても品質管理が徹底されているため、個性的な味わいを楽しむことができます。濃厚で力強い味わいのシャトーラトゥールは、熟成させることで極上の味わいを楽しむことができるのです。
本記事では、シャトーラトゥールの歴史や特徴、評価について解説していきます。
ボルドー5大シャトーのひとつ「シャトー・ラトゥール」

ボルドー5大シャトーのひとつであるシャトー・ラトゥールの歴史や味わいなどについて見ていきましょう。
シャトー・ラトゥールの歴史
シャトーラトゥールの歴史は百年戦争に遡ります。
17世紀の終わりまでミュレ家のものでしたが、相続、婚姻によりアレクサンドル・セギュール公爵の所有物となったのです。
シャトーラトゥールのワインの歴史は、葡萄の王子と呼ばれた彼の息子のニコラ・アレクサンドルがワインの事業を拡大していったことから始まりました。
18世紀後半、フランスの貴族がボルドーの高級ワインを好んで飲んでいたことから、シャトーラトゥールのブドウ畑は広がっていきます。フランス革命によりセギュール家は没落し、1842年にシャトーは法人によって運営されることになりました。
1989年にはイギリスのアライド・ライオンズ・グループの所有物となったものの、1993年6月フランスのアルテミス社がシャトーの持ち株を買収し、現在に至っているのです。
シンボルの塔
ラベルに描かれている塔は14世紀に要塞として築かれたもので、フロワサールが記した歴史書「年代記」にも登場しています。
シャトーとは塔を表した言葉であり、塔はシャトー・ラトゥールのブドウ畑を見守るシンボル的な存在となりました。
要塞として築かれた塔は撤去されているため、現在は17世紀に建てられた鳩小屋を見ることが可能です。
味わいや香り
ラトゥールのワインは「力強く男性的、晩熟で長命」と評価されています。
色が濃くタンニンが多いため、若いうちは角のある印象のワインです。しかし、ラトゥールのワインは20年から25年じっくりと熟成させていくと、凝縮された深く豊かな味わいをもつワインに変化していきます。
シャトー・ラトゥールの特徴

シャトー・ラトゥールの特徴は大きく分けて3つです。ひとつひとつ見ていきましょう。
ジロンド川に沿った畑
シャトー・ラトゥールのブドウ畑は「ランクロ」とよばれる特別な傾斜部にあり、ジロンド川までわずか300メートルほどしか離れていません。
川から流れてくる暖かい空気は冬のブドウ畑を暖かくしたり、霜や収穫時の秋雨被害を減らしたりしてくれています。
1991年4月にボルドー地方を襲った霜はブドウの新芽に被害をもたらしました。しかし、ラトゥールの畑はジロンド川があるおかげで被害が少なかったようです。
特別なブドウと栽培方法
シャトー・ラトゥールは農薬などを使わないオーガニック農法を取り入れています。農薬を使わないことは品質の安定という面ではリスクもつきものです。
しかし、シャトー・ラトゥールは将来的な持続可能性を考慮して、土壌やブドウの樹がもともと持っている生命力を高めようという方針を持っています。ラトゥールは土壌を分析し、土壌の性質によって100以上の区画に分けてブドウを栽培しているのです。
樹齢が若いブドウの樹には青いプラスチックのテープを巻いて、樹齢10年以上のブドウの木からしかブドウを収穫しないという規律を守っています。ラトゥールの畑の平均樹齢は40年ほどです。
ステンレスタンクと最新の醸造方法
ラトゥールは近代化されたシャトーとして有名です。1960年代から温度管理が難しいとされていたステンレスタンクを用いて発酵を行ってきました。
区画の収穫量に合わせたステンレスタンクを使って、温度を24時間コントロールしています。ステンレスタンクが外気の影響を受けやすいという欠点を補うため、室温管理にはコンピューターを使用し徹底的な管理を行っているのです。
シャトー・ラトゥールの評価

評論家からの評価
ヴィンテージによって変わることはなく、五大シャトーのなかでも最も安定した品質のワインを造り続けていると評価されています。
その理由の一つとしてジロンド川が近くにあるために気温の変化の影響を受けにくく、品質のよいブドウが収穫できるということです。
また、二つ目の理由としてシャトー・ラトゥールの近代化と絶えまぬ努力などを挙げることができます。
WA100に選ばれたシャトー・ラトゥールの銘柄
シャトーラトゥールには、ワイン・アドヴォケイト(WA)と呼ばれるワイン専門誌において、100点に評価された赤ワインが数多くあるのです。
シャトー・ラトゥール2018
2018年は冬から春までの雨によってカビがあちこちの畑で発生しました。
シャトー・ラトゥールはオーガニック農法を採用しているため、発生したカビによりブドウの収穫量を減らすことになったのです。ですが、収穫量が減ったことで残されたブドウに栄養が集中し、ワイン・アドヴォケイトにおいて満点を獲得しています。
シャトー・ラトゥール2016
2016年は冬から春にかけて雨が多く湿度も高くなり、ブドウにとって厳しい気候となりました。しかし、夏から秋にかけては天候に恵まれ品質のよいワインが出来上がったのです。
シャトー・ラトゥール2010
2010年は、2009年に引き続き偉大なヴィンテージとなりました。春先までは湿度が高かったものの、夏以降は熱く乾燥した天候に恵まれたため、ブドウが成熟し理想的な条件で収穫を迎えることができたのです。
シャトー・ラトゥール2009
2009年は、過去最高の出来栄えといわれた2005年を超えるワインが出来上がりました。
4月までは雨が降り気温も上がらなかったため、ブドウが育ちにくかったのですが、5月からは収穫まで天候に恵まれ偉大なワインが誕生したのです。
シャトー・ラトゥール2003
2003年、フランスに異常な熱波が到来しました。6月から暑くなり、8月は40度を超える日もあり、うだるような猛暑となったのです。
この年のワインは、アルコール度数が高く濃厚な果実感を味わえます。
シャトー・ラトゥール1982
1982年は一年間天候に恵まれた年でした。タンニンが豊富に含まれた力強い味で、長期間の熟成に適しています。
ワイン・アドヴォケイトを創刊したロバート・パーカー氏は1982年のラトゥールを何回かテイスティングしていて全てに満点がつけられました。
シャトー・ラトゥール1961
1961年のシャトー・ラトゥールは、国内外のワインオークションにおいて歴史的ヴィンテージとして特別視されているワインです。現在でも飲み頃だといわれています。
シャトーラトゥールのは恵まれた地形とこだわりの製造方法によって高い評価を得ている
シャトーラトゥールの歴史は古く、濃厚で奥深い特別なワインであることは間違いありません。
高く評価されている理由として、近くにジロンド川があるという恵まれた地形のおかげで気候の変動の影響を受けにくいことに加えて、長年職人たちが品質管理を徹底して行っているおかげであることもわかりました。
シャトー・ラトゥールは年代問わず、どのヴィンテージでも極上の味わいを楽しむことができるでしょう。最高級ボルドーワインをぜひ一度お試しください。
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