お酒のコラム
五大ウイスキーにはどんな違いがある?製法や味わいを比較
世界的なウイスキーの産地であり、それぞれ独自の特徴を持つ五大ウイスキーをご存じでしょうか。五大ウイスキーはいずれもその土地柄を活かした製法を発展させており、味わいや香り、造り方などが異なっています。
今回は、そんな五大ウイスキーの定義や特徴、それぞれの違い、おすすめの銘柄などについてご紹介していきます。
ウイスキーの基本である世界五大ウイスキーとは?それぞれの定義

世界五大ウイスキーには、それぞれの呼び名と定義があります。どんなものがあるか順に見ていきましょう。
アイルランド
北西ヨーロッパに位置するアイルランドで造られているウイスキー。
アイリッシュウイスキーの条件は
- 穀物類を原料とする
- 麦芽に含まれる酵素で糖化し、酵母の働きによって発酵させる
- アルコール度数94.8%以下で蒸溜する
- アイルランド共和国または北アイルランドの倉庫で3年以上熟成
以上の条件を満たしているウイスキーをアイリッシュウイスキーと呼びます。
スコットランド
イギリス北部を占めるスコットランドで造られているウイスキー。その定義は、とても細かく設定されています。
スコッチウイスキーの条件は
- 大麦麦芽などの穀物と水、酵母を原料とする
- 添加物は水とカラメルのみ
- アルコール度数94.8%以下で蒸溜
- 容量700L以下のオーク樽を使用
- 最低3年以上熟成させ、瓶詰めをする際のアルコール度数は40%以上にする
- 糖化、発酵、蒸溜の工程をスコットランドの蒸溜所で行う
以上の条件を満たしているウイスキーをスコッチウイスキーと呼びます。
アメリカ
北アメリカに位置するアメリカで造られているウイスキー。
アメリカンウイスキーの条件は
- 穀物を原料とする
- アルコール度数95度以下で蒸溜
- コーンウイスキー以外はオーク樽を使用し熟成する
- 瓶詰めをする際のアルコール度数を40%以上とする
以上の条件を満たしたウイスキーをアメリカンウイスキーと呼びます。
さらに、ウイスキーの種類ごとに生産地や原料である穀物の種類、配合割合、使用する樽の種類、蒸溜時および瓶詰めをする際のアルコール度数などが細かく定められているのです。
カナダ
アメリカ合衆国の北部に位置するカナダで造られているウイスキー。
- 穀物を原料とする
- 酵母を用いて発酵・蒸溜させる
- 700L以下の木製樽を用いて3年以上熟成させる
- 瓶詰めをする際のアルコール度数を40%以上にする
- 糖化、酵母、発酵、蒸溜、熟成をカナダ国内でしていること
以上の条件を満たしたウイスキーをカナディアンウイスキーと呼びます。
日本
そして最後の世界五大ウイスキーのひとつが日本で造られているウイスキー。
- 発芽させた穀類と水を原料とする
- 原料を糖化、発酵させてできたアルコール含有物をアルコール度数95%未満で蒸溜させる
以上の条件を満たしたウイスキーをジャパニーズウイスキーと呼びます。
世界五大ウイスキーの味わいや特徴

世界五大ウイスキーには細かい条件が設定されており、その条件を満たしたウイスキーだけが世界五大ウイスキーのひとつとして呼ばれるのです。
世界五大ウイスキーには、それぞれ味わいや特徴に違いがみられます。そのひとつひとつをみていきましょう。
アイリッシュウイスキー
アイリッシュウイスキーはウイスキーの元祖と言われる古い歴史を持つウイスキー。
特徴
銘柄は少ないですがカクテルのベースに使われることもあり、アイリッシュ・コーヒーなどがその代表格です。
香りや味わい
穀物の豊かな香りを感じ、口当たりも軽く、最後の余韻までさわやかに楽しむことができるでしょう。
スコッチウイスキー
スコッチウイスキーはシングルモルトが有名で、100以上の蒸溜所から様々な個性を持つウイスキーが生み出されています。
特徴
蒸溜所の数が多いことから、地域の特徴を生かした様々なシングルモルトが生まれています。熟成樽を使い分けたり、産地によって特徴が異なっていたりと幅広い個性を持つ点がスコッチウイスキーの特徴です。
香りや味わい
スコッチウイスキーは麦芽を完成させる際に泥炭を使うため、スモーキーな香りが特徴的なウイスキー。豊富な種類のシングルモルトはいずれも個性的ですが、これらを掛け合わせたブレンデッドウイスキーは、ほのかな甘みや穏やかさのある味わいです。
アメリカンウイスキー
アメリカンウイスキーは産地によってさらに細かく分かれており、味わいや特徴はその種類によって大きく異なります。
特徴
地域によって使用する原料や樽が異なるため、様々な味わいが楽しめる点が特徴的です。
トウモロコシを主原料としてケンタッキー州で製造されるバーボンや、チャコール・メローイング製法によってテネシー州で製造されるテネシーウイスキーなど6種類の製法に分けられます。
また、トウモロコシなどの穀物を原料としたものが多いというのもアメリカンウイスキーの特徴といえるでしょう。
香りや味わい
バーボンウイスキーは樽由来の香ばしい香りとバニラのような自然な甘みがあります。テネシーウイスキーは癖が少なく、芳醇な香りやフルーティーな甘み、滑らかな舌触りが特徴的です。
カナディアンウイスキー
カナディアンウイスキーはライトな味わいのため、ウイスキーを飲み慣れていない方にもおすすめできます。
特徴
フレーバリングウイスキーとベースウイスキーという2種類の原酒があり、そのふたつを合わせたウイスキーがカナディアンウイスキーです。最も軽い酒質が大きな特徴で、カクテルベースとして使われることもあります。
香りや味わい
世界五大ウイスキーの中でも飲みやすいとされるのがカナディアンウイスキー。
ライ麦特有のスパイシーな風味はさほど感じず、爽やかな香りと軽い口当たり、癖のない味わいで、マイルドな飲み心地です。五大ウイスキーを試すならカナディアンウイスキーから試すのも良いですね。
ジャパニーズウイスキー
ジャパニーズウイスキーの製法はスコッチウイスキーの製法を参考にしていますが、日本ならではの気候や風土を活かし、独自の進化と発展を遂げたウイスキーです。
特徴
日本独特の四季による気温や湿度の変化、豊かな自然を取り入れ、樽や原料を細かく使い分けた多彩な原酒など、五大ウイスキーの中でも最も繊細で複雑なウイスキーと世界中から評価されています。
香りや味わい
銘柄によって香りや味わいが全く異なるジャパニーズウイスキー。
スコッチウイスキーの製法を参考にしているためスコッチウイスキーに近い味わいがあるものが多いですが、日本人好みになるようスモーキーさを抑えられているのでバランスのとれた味わいです。
世界五大ウイスキーおすすめの銘柄

世界五大ウイスキーは、地域や蒸溜所の特徴が存分に表現され、それぞれ香りや味わいが異なります。それぞれの世界五大ウイスキーを堪能できるおすすめの銘柄をご紹介しますね。
アイリッシュウイスキーを堪能するなら「ジェムソン」
1780年創業の歴史ある蒸溜所で、伝統的な3回蒸溜によるフルーティーで軽くまろやかな口あたりが特徴です。
スモーキーさやウイスキー特有のクセも少ないため、飲み慣れていない方にも試しやすい銘柄ですよ。
スコッチウイスキーを堪能するなら「アードベッグ10年」
アードベッグ10年は、アードベッグ蒸溜所で造られているアイラウイスキーです。強い個性が特徴のメーカーで、強烈なスモーキーさと繊細な甘みのバランスが優れています。
クセの強いウイスキーなので飲み慣れていないと少し飲みづらいと感じるかもしれません。
アメリカンウイスキーを堪能するなら「メーカーズマーク」
バニラやはちみつ、オレンジ、キャラメル、ダークチョコレートなどの繊細で優しいフレーバーとふくよかな味わいが特徴的なウイスキーです。
封蝋が垂れたようなボトルデザインは、とても特徴的で見た目も楽しむことができます。
カナディアンウイスキーを堪能するなら「カナディアンクラブ」
カナディアンクラブはベースウイスキーとフレーバリーウイスキーを掛け合わせており、軽い飲み口と上品な味わいで人気のウイスキー。
アルコール度数も低く、手軽に手に入れることができるため自宅で楽しむウイスキーとしてもおすすめですよ。
ジャパニーズウイスキーを堪能するなら「山崎」
山崎は日本の名水地の上質な水をふんだんに使用しており、濃厚な甘さと深みある味わい、フルーティーで芳醇な香りが大きな特徴です。
ジャパニーズウイスキーの代表ともいえる山崎は、国内外からも高い評価を得ています。
五大ウイスキーの違いを理解して、自分なりの楽しみ方を
五大ウイスキーは産地だけでなく、製造方法や使用されている原料などにも違いがあり、異なった特徴を楽しむことができます。また、同じ産地でも銘柄によって味わいや香りが異なってくるのです。
ウイスキーの特徴から自分が好むウイスキーを探して、お気に入りの1本を見つけるのも良いですし、いろいろな味わいを試すのも良いですね。
五大ウイスキーそれぞれの違いを知ることで、ウイスキーの魅力的な世界へさらに一歩踏み出せることでしょう。
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