お酒のコラム
ウイスキー余市の種類にはどんなものがあるの?味わいや香りを知ろう
ひとつの原酒を使用して造られるシングルモルトウイスキー「余市」を知っていますか?
2014年から放送されたドラマ「マッサン」のテーマとなったニッカウヰスキーの余市蒸留所。実際にドラマを見ていて知っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、日本を代表する高級ウイスキーのひとつである余市の発祥や歴史、どんな種類があるのかについてご紹介いたします。
ウイスキー余市とは

余市は、北海道余市町の余市蒸溜所でニッカウヰスキーが製造し、アサヒビールが販売をするシングルモルトウイスキーです。
世界中にファンがいる余市の発祥や特徴について見ていきましょう。
発祥
創業者は、ジャパニーズウイスキーの父と呼ばれる竹鶴政孝氏。「日本でも本場に負けないウイスキーを造りたい」とウイスキーの本場であるスコットランドに渡り、ウイスキー造りの知識を学び日本に持ち帰りました。
竹鶴氏にウイスキー造りの知識や技術を教えてくれたのは、「ロングモーン蒸溜所」です。そこで使われていた技術などを応用し北海道に蒸溜所を設立し、余市を生み出しました。
余市は、発祥地である北海道余市町に由来して名付けられています。
歴史
スコットランドの多湿多涼の気候に似ている余市町に、1934年余市蒸溜所が設立されました。多湿多涼だけではなく、原料である大麦が多くとれることや、スモーキーな香りを生み出すピートが豊富なこと、余市川の湧水なども余市町が選ばれた理由です。
ウイスキーの生産に時間がかかるため、設立直後は余市周辺の特産品であるりんごを使った果汁100%のりんごジュースを販売していました。1986年より余市の製造が始まり、余市が販売されたのは創立から55年後である1989年です。
ウイスキーの専門誌であるウイスキーマガジンにおいて、シングルカスク余市が「ワールドウイスキーアワード」にて最高得点を獲得しました。また2014年には、イギリスの世界的コンテストISCでシングルモルト余市12年ウッディ&バニリックが金賞を受賞。
世界にも認められるシングルモルトウイスキーとなりました。
特徴
ウイスキー余市の大きな特徴は、石炭直火蒸溜という手法にあります。余市蒸溜所を設立した1934年頃は主流の手法でしたが、現在では火力の調節が難しく熟練した技術が必要ということで、石炭直火蒸溜を行なっている蒸溜所は現在では少数です。
余市は、重厚で力強い味わいと石炭火力ならではの香ばしさが特徴的。ジャパニーズウイスキーの中で、ピート香を感じられるウイスキーはとても珍しく日本にもたくさんのファンがいることでしょう。
ウイスキー余市の製造方法

もろみを蒸溜させるためのポットスチルには「ロングモーン蒸溜所」を参考にし、胴体部分に膨らみのないストレートヘッド型を採用。冷却器へ繋がるパイプは下向きになっています。このポットスチルとパイプの向きから、余市の特徴である重厚で力強い味わいが生まれているのです。
そして、余市の特徴でもある石炭直火蒸溜という手法でゆっくりと丁寧に蒸溜していきます。難しい技術ですが、現在でもこの手法が用いられているのは石炭直火蒸溜がウイスキー余市を造り上げるからです。
熟成の際は、バーボン樽やシェリー樽など様々な樽を使用することで、多様な原酒を造り上げバランスよくブレンドを行うことで豊かな味わいを引き出します。
ウイスキー余市の種類
余市の特徴である重厚で力強い味わいを堪能できるシングルモルト余市から、限定で販売された至極の一本まで12種類をご紹介いたします。
シングルモルト余市
シングルモルト余市は、様々な熟成年数の原酒を使用しているノンエイジ品です。
飲み始めは力強くスモーキーさを感じますが、徐々にスパイシーな味わいへと変化しスッキリとした余韻で終わります。スモーキーな香りだけでなく、黒胡椒のようなスパイシーさやコクも感じられ複雑さを楽しむことができますよ。
余市のバランスの取れた味わいを感じられる上品な一本です。
シングルモルト余市 ウッディ&バニラ
余市蒸溜所で限定販売されているシリーズのひとつ。樽に由来するウッディさとバニラの香りが特徴的な一本です。
アルコール感をやや強く感じますが、メロンやバニラのようなフレッシュ感の中にカカオやウッディさも感じることができ豊富な香りを堪能できるでしょう。
ストレートで飲むことで甘さをよく感じることができますが、ロックにすることで苦味も感じることができ、飲み方によって味わいが変化することも楽しみのひとつです。
シングルモルト余市 シェリー&スイート
余市蒸溜所で限定販売されているシリーズのひとつ。シェリー樽原酒の比率を多くヴァッティングしたものがシングルモルト余市シェリー&スイートです。
色やボトルのラベルから甘口ワインを想像しますが、シェリー樽由来のドライフルーツの甘酸っぱさだけでなく、渋みのあるウッディさとスパイシーな香りも楽しめます。
味わいは、香りほどの渋みは感じないため渋みが苦手な方でも楽しむことができますよ。
シングルモルト余市 ピーティ&ソルティ
余市蒸溜所で限定販売されているシリーズのひとつ。竹鶴氏がこだわったピートが際立つ原酒をヴァッティングしたのがシングルモルト余市ピーティ&ソルティです。
名前の通り、ストレートで飲むことでピート香とソルティな香りがバランスよく広がっていきます。
味わいは、アルコールの辛みと塩味、カラメルのようなコクがあり、甘いウイスキーが苦手な方にもおすすめです。アルコールの辛みが苦手な方は、加水することで味わいはそのままにアルコール感を抑えることができます。
シングルモルト余市 10年
酒齢10年以上の原酒のみをヴァッティングして造られたのがシングルモルト余市10年。
熟成により、フルーティーな甘さやオーク樽の香りなど複雑でより重厚な一本になっています。フルーツの香りが豊富ですが、中でも桃を強く感じ、軽くオークを味わえる上品な仕上がりです。
シングルモルト余市 12年
酒齢12年以上の原酒のみをヴァッティングして造られたのがシングルモルト余市12年。
余市10年に比べ、ピート感はやや弱く感じます。香りは、樽由来の甘さや豊富な果実から華やかさを感じられ、ベリーやシェリーなどの熟した果実やナッツの香ばしさ、スパイシーな味わいでリッチな仕上がりです。
シングルモルト余市 15年
酒齢15年以上の原酒のみをヴァッティングして造られたのがシングルモルト余市15年。
長期熟成をされた余市15年は、余市特有の個性的な味わいや香りは少し落ち着き、豊かなフルーツの甘味や酸味、樽の香ばしさを感じることができます。
果実感を強く感じられ、香ばしさと調和した心地のいい余韻を長く楽しむことができる一本です。
シングルモルト余市 20年
酒齢20年以上の原酒のみをヴァッティングして造られた、シングルモルト余市20年は最も酒齢の高い、贅沢で希少な一本です。
個性的な余市の味わいや香りは残したまま、ピート香が甘く芳醇な香りを堪能できます。ワインのような渋みの奥にジンジャー系の辛味があり刺激的ですが、さっぱりとした味わいを楽しめるでしょう。
シングルモルト余市 リミテッドエディション2019
個性的な余市モルト原酒の中から、5つの年代の原酒を厳選しヴァッティングしたものが、シングルモルト余市リミテッドエディション2019です。
それぞれの時代の原酒の個性が、力強く重厚な余市により深みを持たせます。
ビターチョコのような味わい、麦芽の香ばしいコクを感じられるのが特徴です。オーク樽のバニラの香りや力強いピート香を感じられます。
シングルモルト余市 マンサニーリャウッドフィニッシュ
スペイン南部で造られているシェリー酒の一種であるシェリーマンサニーリャを50年間熟成させたマンサニーリャ樽でシングルモルト余市を、通常の熟成後さらに18ヶ月間熟成させたものです。
トロピカルフルーツのような香りや、甘酸っぱさが香ばしいピートと調和した味わいでスペシャルなウイスキーといえるでしょう。
シングルモルト 余市 アップルブランデーウッドフィニッシュ
創業者である竹鶴氏の結婚100周年を記念して開発された限定商品。竹鶴氏の夢を叶えた余市と、ニッカウヰスキーを支えた余市のりんごへの敬愛を込め造られました。
アップルブランデーを28年間熟成させた樽で、シングルモルト余市を通常の熟成後さらに約6か月間熟成させたものです。甘く華やかな香りとアップルパイのような香ばしさや甘酸っぱさが心地よく続きます。
飲み比べてみよう!ニッカウイスキーでおすすめの銘柄

ニッカウヰスキーは、シングルモルト余市だけでなく様々な銘柄を世に送り出しています。ここでは、シングルモルト余市との飲み比べにおすすめな銘柄についてご紹介いたします。
竹鶴
竹鶴は、余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所のそれぞれで造られたモルト原酒を掛け合わせて造られているピュアモルト。
「ブレンデッドウイスキーのように飲みやすいモルトウイスキー」をテーマに造られたのが竹鶴です。
力強く重厚でスモーキーな香りの余市と華やかな香りと軽やかな味わいの宮城峡のふたつがバランスよく配合され、甘みとコクが感じられ飲みやすいウイスキーに仕上がっています。
余市の特徴をよく感じることができるため、余市が好きな方にはおすすめです。シングルモルトとピュアモルトの違いを飲み比べてみるのもいいですね。
宮城峡
2012年にイギリスの世界的コンテストISCで銀賞を獲得し、翌年には金賞を受賞しました。
外気に接触する面積の広いバルジ型のポットスチル、蒸溜釜の外側に蒸気を当てモロミを間接的に温める間接蒸溜を採用しじっくりと蒸溜することで、軽やかなモルト原酒を造り上げます。
華やかで洋梨やりんごのようなスイートな香りと、フルーティーで口当たり滑らかな味わいです。クセがなく飲みやすい味わいは、ウイスキーを飲み慣れていない方にもおすすめ。
ウイスキー余市の特徴的な味わいや香りを堪能しよう
創業当初からの変わらない技術や竹鶴政孝氏の想いは、現代まで引き継がれシングルモルト余市を世界中のウイスキーファンに送り出しています。変わらない高い技術と熱い想いがシングルモルト余市を造り出しているのです。
少し荒々しい個性的な味わいや香りのシングルモルト余市ですが、種類によっては甘く飲みやすいものもあるため、ウイスキーが飲み慣れていない方でも楽しめます。
まだシングルモルト余市を飲んだことがないという方は、この期に試してみるのはいかがでしょうか。既に飲んだことがある方は、他の銘柄と飲み比べをしてみるのもいいですね。
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